『人のセックスを笑うな』山崎ナオコーラ

人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな

名前のことで前に突っ込んだナオコーラさんですが。いじっておいて何も読まないのも悪いかなあと、善良なる意識に基づいて青山ブックセンターで立ち読みを敢行。集中して読んだら、30分ちょいで終わってしまった。コバルト文庫なみのボリュームです。
若い美学校生の主人公が、20歳も上の講師の女性にひっかかる話。この設定って、考えてみたらば鈴木清剛の『男の子女の子』とほぼ同じ。『人の〜』の方が女性がかわいくないぶん、生々しいかもしれないけれど。でも、それは決してリアリティという意味の生々しさではなくて、書き手の若さから来る生々しさのように感じた。そう言う部分というのが、このタイトルにうまく反映されてるようにも思う。私『人のセックスを笑うな』ってタイトルが、じつは結構好きなのだ。この自意識過剰な感じ。人のセックスにまで口出ししちゃうような、若い感じ。誰もそこまで想像してねえよ!とつっこんであげたくなっちゃうほほえましさ。青いからこそ言える言葉であると思う。