中野クラシックを悼む会

ノスタルジア [DVD]

ノスタルジア [DVD]

会社をダッシュで抜け出して、Tさんと飲みに行く。シベリア帰りのTさんは髭なんか生やしちゃってワイルドさ倍増だった。中野駅で待ち合わせて、クラシック跡地でしばし感慨に耽る。私が知らない、マスター時代(マヨネーズのふたにミルク時代)から、クラシックを知っている人にとってはまた違う感慨があるのだろうなあ、と考えながら幾度目かのさようならをする*1
Tさんは大学の講座の講師に来ていたのが縁で、たまにお酒を飲みに行く。散歩が好きで、喫茶店が好きで、もちろん本が好きで、ついでにタルコフスキーが好きだという。妙に共通点が多くて、なんだか仲良くしてもらっている。不思議なもんだなあ、と思う。不思議なもんだなあ、と思いつつも、ツボが似ているのでとても楽しい。海外の話をいろいろと聞いて、あらためてブエノスアイレスに行きたくなってしまった。あと、ヴェネチアタルコフスキーの「ノスタルジア」の舞台になった屋外プールのある小さな街を巡る旅にも出たくなってしまった。ものすごくピンポイントな話をしてるはずなのに、通じ合うというのは、田舎にいたころにはあり得ないことで、すごく東京的な現象だと思う。高円寺で三軒はしごをして、べろんと酔っ払って、タクシーで帰るTさんをお見送りして、肉じゃがの材料を買って家に帰った。良い夜だった。

*1:ちなみに翌日にもまた中野へ行き、またもや心の中でさようならをした。ヒマだな私