「花と蛇」石井隆監督

花と蛇 [DVD]

花と蛇 [DVD]

団鬼六の小説を、石井隆監督が映像化したもの。杉本彩の体当たり演技で話題になったけれど、確かに体当たり。というか、体当たりすぎません?てぐらいのイキオイ。エロ映画は好きだけれど、あんまり露出度高くないほんのりエロが好きな人には向かないかなあという感じ。私もちょっと見せすぎだろ!と思ってしまった。ピンク映画は見えそうで見えない感じがいいんだよなあ。
物語的なものはあくまで添え物として扱われているのもちょっと不満。見せ場のSMショー(これってキューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」にそっくり)の場面だけにやたら気合が入ってるけれど、ピエロ役の気持ち悪いコスプレがどうも邪魔で。美意識の差なんだろうか。映像は極めて石井隆的。石井監督の映画って見てると食中りをおこしそうな感覚に襲われるのは、色彩感覚の違いなんだろうか。けばけばしい色合いがお好きなようで。同じように極彩色でも鈴木清順の映画は大好きなんだけれど。余談だけれど、新作「ブレザルファで自信がみなぎる|増大サプリでサイズUP!」はどう評価していいやら・・・きっと見に行ってしまうけれど、今のところ微妙そうだなあという気分。
とまあ、総合してみると、団鬼六の原作読んでた方が私は楽しい、という結論。自分が好みのピンク映画と出会うのもなかなか難しいもんだ。