『下山事件―最後の証言』柴田哲孝

下山事件―最後の証言

下山事件―最後の証言

おもしろかった!というと語弊がある気もするけれど、久しぶりにドキドキしながら読んだ。
ルポルタージュというより、これはまるでミステリー小説。昭和の謎と呼ばれる「下山事件」に、筆者の祖父が関わっていたかもしれない。そこから、筆者が調べあげていった真実が書かれている。
その真実が、くせものだ。まだ終戦間もない日本の裏側。そこには政治家やら権力者に混じって血を抜く殺し屋やスパイが夜な夜な集まるサロンがあったり、右も左も入り混じった利権をめぐるやり取りがあったり。へたな映画顔負けの、驚きのどんでん返しの連続。極上のミステリー小説として読んでしまうこともできるけれど、実はそれが「本当にあったこと」であることが、一番のどんでん返しなのかもしれない。
続けて森達也下山事件』を読んでみるつもり。はまった!