長いながいメール

卒業制作で書いた小説『新東京ガイドブック』で、私は長いながい手紙を書く女の子の話をつくった。もう今は住所も知らない男友達に向けて、書き綴る手紙はちょっとどうかと思うぐらい長くて手紙っぽくなくて、そこが怖くてもの悲しくていいかな、と思って書いた。
しかしながら、あんまりに長い手紙やらメールやらは読んでいて考えのまとまりがつかないものなんだなあ、とH氏から届いた長いながいメールを読みながら思った。あんまり長いので、相当退屈なんだろうなとか、やっぱり精神不安定なんじゃないかとか、いろいろと心配になってしまう。どれくらい長いかというと、ワード君の文字カウントによれば8,000字ほど。…8,000字?レポートの長さだぞ、これは。しかもいつもならば随所にオチを盛り込んで、見事なキレのあるメールを送りつけてくる人なのに今回のメールはおもしろくない。コトバにひと一倍敏感(でいたいと思う)私にとって、逆に心配要因になった。これを逆手にとって、私も長いながいメールを書くべきなんだろうか。