「あしがらさん」飯田基晴

ホームレスの人は一体何を思って生きているのだろう。昔、ドキュメンタリー映画を撮りたいねえという話をしていた時に「私ならホームレスの人を撮りたい」と話した記憶がある。それがもう2年ほど前の話。
この映画では、98年から新宿西口ホームレスの「あしがらさん」を追っている。私が思いつく以前から、ちゃんと動いていた人がいるのだなあとなぜだか感慨深い気持ちで見た。
現実は思っているよりずっとハードで、ずっとユーモラスだ。仕組まれたストーリー以上に物語っぽい展開。いいのかこれで。これでいいんだ。幸せそうに笑うようになった「あしがらさん」を見て、頭の中でナカカズの「永遠なるもの」が鳴り響いた。人生すてたもんじゃない、とほんわかする映画。生きてりゃ何とかなっていく、という実感がした。ドキュメンタリーの手ぶれ映像にはやっぱり酔いそうにはなるけれど、それでも見る価値はあると思った。
今週いっぱいポレポレ東中野で監督のティーチイン付きでレイトショー上映。見て損はないぞ!ちなみに明日は「新しい神様」の土屋監督も来るそうですよ。