「子猫をお願い」

今年ベストじゃないだろうか。すばらしい映画だった。とても切なくて、とても美しい。ゆっくりと壊れていく友情と、それでも変わらない友情。これを見たら、ソフィア・コッポラなんてまだまだ甘ちゃんだなあと思わざるを得ない。たとえば、マイブラだとか初期スパカだとか、フィッシュマンズだとか、かせきさいだあだとか、そんなテイストのふんわりとした空気感を出すのは簡単かもしれない。でもその空気感に負けないストーリーの強さと映像の力がないと、映画はなんとなくで流されてしまうだろう。なんとなくで過ぎ去る映画の多い中で、この映画はずっとココロのはしっこにひっかかる強さがあった。この映画、大切な友達と見たいと思った。ベタだけど、友情ごっこじゃない友情がしてみたくなった。久しぶりに良い映画にめぐりあったな。これは、みなさん見るべきですよ。ペ・ドゥナも愛くるしいし。