無人島でサマーバカンス

島に行こう、と誘われた。島。しかも、無人島。しかも島にはビーチがあるという。なんだろう、このすごく夏っぽい感じ！珍しく休日に早起きして、出かけてみたくなった。
島は、神奈川県の横須賀にある。猿島。赤い電車の京急線「横須賀中央」駅から歩いて15分の桟橋から、船に乗って約10分。家を出て２時間ほどで、もう島！近い！
島は無人島なのだけれど、着いた時にはすごくいっぱい人がいた。千人ぐらいいた。ので、なんだか笑ってしまう。ひりひりするような陽射しと、砂浜ビーチと、水着の女の子と、バーベキューのけむりとビール。もうほんと、笑っちゃうぐらいに夏！水着を持ってきてないのが悔やまれるぐらいの、夏！こってりと日焼け止めを塗って、島内を散策してみる。この島は昔、軍事利用されていたらしくて、フランス式のレンガのトンネルだとか、大砲跡地だとかがそこかしこに残っている。トンネルの中はじめっとしていて、薄暗くてとてもいい雰囲気。でも、これどこかで見たぞ、しかも最近…と思ったら、ドラマ「探偵学園Q」の中で入学試験のシーンで使われていたのだった。たまたま見てて、これはいい島…とほれぼれしていたので、うれしい。一周ぐるっとまわっても30分ぐらいのほどよい大きさも、よろしい。
水着を持ってきていなかったので、ビーチのすみっこの日陰でだらだらおしゃべり。大学生のころに、もっとこういうことすればよかったね、とちょっと反省。もっぱら夜お酒を飲みながら散歩ばかりしていたのも確かにものすごく楽しかったのだけれど、普通の季節のイベントをちゃんとやるというのも、非常に楽しい。昔はつっぱっていて、誰かが決めた風物詩なんか恥ずかしいと思ってたんですけどね。若かった。みんながやってることはやりたくないと思ってたけど、みんながやってることは、そりゃあ楽しいはずなんですよ。当たり前なのに、ずいぶん気づくまで遠回りをしてしまった。
島を出て、横須賀の街に降り立ったら、そりゃあもうがくんと疲れてしまっていたので、喫茶店でお茶をしてあっさり解散。その潔さも夏休みっぽくてよかった！

で、高円寺に戻ってきてから、バカンスに来そこなった兄と「のら犬カフェ」で軽く飲食。「のら犬カフェ」は、昔の部室みたいでよかった。他にも誰か呼ぼうよ、というわけで、友達が少ない同志がんばってみたけれど結局誰も捕まらず…今年の夏は友達増やそう、じゃあバーベキューしようぜ！という話におちつく。なんか、毎年こんなこと言ってる気がするけど、やっぱり夏は出会わなくっちゃね。