The Shampoo Hat「沼袋十人斬り」@スズナリ

今年はたくさん演劇を見ている年で、今月二本目のおしばい。ここのところすっかり放置していたけれど、少しずつ書き残しておかないともったいないような気がしてきた。というか、書いておきたいなーと思うようなすごく良い劇でした。あー!


そもそも、タイトルがすごくいい。「沼袋」だもの。沼袋。よく考えたら私、新井薬師と野方は何度も降りてるけど、沼袋では降りたことがないかも。という、そういう微妙な感じの沼袋が舞台というのが、ちょっとたまらない。そこで繰り広げられる、パチンコ仲間のすてきな3人組みのおじさんと、沼袋での連続殺人鬼のどきどきわくわくする追いかけっこの話。


出てくるのは、41歳警備員で毎日パチンコに通って一番大切なものは500円玉貯金というおじさんとか、富士そばでアルバイトをする31歳の殺人鬼。なんかぎりぎりでシリアスになりそうなキャラクターばっかりなんだけど、不思議なぐらいからっと明るくて、楽しい。飛ぶし、走るし、というコミカルな体の動きが、シリアスにさせないというのもそうなんだけど。あーなんか、生きてたら何とかなっちゃうよなーと思わせる力強さがみなぎっていて、わくわくする。目の前で人が馬鹿なことを叫んで、のたうって、それをからっと観客は笑う。演劇ってそういうことだよな、というシンプルな力強さがあって、あっというまに2時間たってた。最近、見終わってちょっとどんよりするような劇が多かったから、あー楽しかったな、と素直に思えるのがうれしかった。


さて、来週は五反田団の「生きてるものか」を見てきます。