忘れる。びっくりするぐらい忘れる。

最近、読んだ本やら見た映画の内容をびっくりするぐらい忘れる。それにはうすうす気づいていたのだが…


昨日、レンタルビデオ屋に行って「あーこれまだ見てないよね」とビデオを手にとったところ、dに「いや、見たよそれ一緒に」とすぐさま突っ込まれた。「あれ、見たんだっけ、ラストどんなんだっけ…?」とあらすじを聞いてやっと、見たのを思い出した。どうしようもない。「そんなに忘れるなら、見たり読む意味はあるの?」と聞かれる始末。確かに、ここまですぽーんと忘れるといっそ清々しい。でも、見たことある映画だと、ちゃんと見始めてすぐに「あ、これ見たことあった…」って気づくんだよ!あと、仕事の内容についてはちゃんと覚えてられるんだよ!


なので、今年は見たもの読んだもの買ったものなどを、しっかり書いておくことが目標です。脱ものわすれがんばる。

「母なる証明」ポン・ジュノ監督

プンプンママが主役の6巻を読み終わってから、この映画を見て「母親」って何だろうな、とじっとりした気分になる。


まだ私が子どもだったころ、母親ってパーフェクトに頼っていい存在だと思ってた。もちろん、ときには愚痴ったりやつあたりされたりもするけれど、結果的には「大丈夫」って言ってくれる存在だったんだ。それが、母親もひとりの人間だったんだ、と気づいてびっくりしたのは、家出してきた母親に会った時だった。それまで何の疑いもなく「大丈夫」な人だと思ってたから、そんなに色々我慢してたなんて、まったく気付いてなかった自分にもびっくりした。それは、壊れることがあるなんて思ってもみなかった街が、ぐんにゃりと歪んでしまった地震の後の風景みたいに、衝撃的だった。


母なる証明」では、子どもを守ることに命をかける母親、「おやすみプンプン」では、子どもにどう接していいかわからない母親が出てくる。でも、子どもにとって絶対の存在であることは変わらない。頼られきっている。それって、幸せな状態なのか?恐ろしい状態なのか?


あ、そういえばウォンビンってイケメンですね。初めてちゃんと出演作を見たよ…。

「おやすみプンプン6」浅野いにお

おやすみプンプン 6 (ヤングサンデーコミックス)

おやすみプンプン 6 (ヤングサンデーコミックス)

蒲田へ餃子を食べに行く

去年あたりから、餃子というたべものは滅法おいしいということに気づき、着々と餃子を食べていたのです。餃子うまい。で、新年ということで、前々から行きたかった東京の餃子の聖地・蒲田に行ってきました。宇都宮みたいに、街として大々的に餃子餃子してるわけではないけれど、餃子の名店がいくつかある、というぐらいらしい。そのゆるさもまたよし。京急の速さにテンションもあがりながら、夕暮れ時の蒲田に到着。


まず一軒目に行ったのは、ニーハオ。ふつうの街の中華屋さん的くたびれた店構えの本店へ。焼き餃子と水餃子とおしんこ的なものをオーダー。大き目の羽がついた焼き餃子はかなりジューシー。水餃子はもっちもち!おいしい餃子に気をよくして、二軒目へと向かう。


二軒目は金春。こっちは、壁に赤い鯛の飾りがついてる感じの中華屋さん。二時間食べ飲み放題2980円のプランもあるらしく、安いなーとか思いながら、焼き餃子と水餃子、おしんこ的なものと、えびとか入ってるちょっと豪勢な三鮮焼き餃子というのをオーダー。ニーハオに比べると、中身たっぷりの大ぶりな餃子がどーんと出てきて身もだえる。ジューシーでしょうがが効いていて美味しいのだがもう限界を超えている。dに「きっちり半分こだからね」と念を押され、修行のようにして食べ終わる。三軒目まで行く気まんまんでビールも飲まなかったのに、ここであえなくリタイア。


どっちも安くておいしい餃子でよかったけれど、なんだか無念・・・自分の胃にたいして。次回、ビールのおいしい季節にリベンジしたいと思います。

五反田団「新年工場見学会2010」@アトリエヘリコプター

お正月前後は実家に帰って、あまりにやることがなくて寝てばかりいたら足がめちゃくちゃに痛くなって、寝ても起きても座っても痛くて今度は寝ることもできずにごろごろとばかりしていた。一緒に寝まくっていた妹も同じく足が痛い痛いと言っていた。東京に戻ってきたらさっぱりと痛くなくなったけれども、一体なんの呪いなのか。そんな感じで、あまりに何もしなかった正月休みに焦りを感じて、五反田団の新春公演に出かけることにした。


去年見た演劇の中でも、かなり好みだった五反田団(「生きてるものか」、歌人枡野浩一さんが怖かわいくてよかった)とハイバイ(「て」と「リサイクルショップKOBITO」を見たけれど、どちらもテンションが高くておばかでほろりとした)の二つの劇団に加えて、以前マトリョミンを教えてもらった佐藤沙恵さんの電子音楽とええ声のロシア風味ボッサユニット(てきとうにまとめた)ザ・プーチンズなど、私的にとても豪華な顔ぶれ。


いやーおもしろかった…!


特に、ザ・プーチンズがすごいよかった。思わずCD買ってしまった。ボサノヴァっぽいアコギサウンドテルミンがからんで、無駄にええ声の男性ボーカルがのっかる不条理な歌の演奏を、小芝居の間に挟んでくる感じ。こんなライブ見たことないよー。そして楽曲がヘンでかわいくてツボ。頭の中をループしてます。めったにライブをやってないみたいだけど、また見たいなーおもしろかった。


途中休憩をはさんで3時間20分ほどの長丁場だったのだけれど、何かこうゆるーいテンションで、やってる役者もちょっと吹き出しちゃったりして、肩の力抜けまくりだったので、あんまり疲れる感じもなく。ほんとはコタツに入ってみかん食べながらみたいなーと思うような感じ。途中休憩にはホットワインが配られるというあったかい感じ。でも、演劇界ネタが多くてわかんない人にはおもしろくないんだろうなーという内輪ネタな感じもあって。たぶんここに来てる人の8割ぐらいが演劇やってる人なんだろうなーと思いつつ見る。五反田団もハイバイも、役者の話だったからしょうがないか。でも、おもしろ要素満載でたっぷり楽しめました。これで2000円は安かったなーほくほく。

The Shampoo Hat「沼袋十人斬り」@スズナリ

今年はたくさん演劇を見ている年で、今月二本目のおしばい。ここのところすっかり放置していたけれど、少しずつ書き残しておかないともったいないような気がしてきた。というか、書いておきたいなーと思うようなすごく良い劇でした。あー!


そもそも、タイトルがすごくいい。「沼袋」だもの。沼袋。よく考えたら私、新井薬師と野方は何度も降りてるけど、沼袋では降りたことがないかも。という、そういう微妙な感じの沼袋が舞台というのが、ちょっとたまらない。そこで繰り広げられる、パチンコ仲間のすてきな3人組みのおじさんと、沼袋での連続殺人鬼のどきどきわくわくする追いかけっこの話。


出てくるのは、41歳警備員で毎日パチンコに通って一番大切なものは500円玉貯金というおじさんとか、富士そばでアルバイトをする31歳の殺人鬼。なんかぎりぎりでシリアスになりそうなキャラクターばっかりなんだけど、不思議なぐらいからっと明るくて、楽しい。飛ぶし、走るし、というコミカルな体の動きが、シリアスにさせないというのもそうなんだけど。あーなんか、生きてたら何とかなっちゃうよなーと思わせる力強さがみなぎっていて、わくわくする。目の前で人が馬鹿なことを叫んで、のたうって、それをからっと観客は笑う。演劇ってそういうことだよな、というシンプルな力強さがあって、あっというまに2時間たってた。最近、見終わってちょっとどんよりするような劇が多かったから、あー楽しかったな、と素直に思えるのがうれしかった。


さて、来週は五反田団の「生きてるものか」を見てきます。