「ヘビーユーザー」柿食う客

今月の観劇は、池袋のお寺で上演された柿食う客のフランス遠征作のジャパンプレミア!なんかジャパンプレミアって言うとすごく大層な感じがしていいなあ。


初めて見る劇団だったのだけれど、言葉をリズムとして扱う感じがすごくスリリングでかっこよかった。同じセリフをくりかえし、くりかえし、リズミカルにたたみかけられると、次第にそれは「音」になる。漢字の書き取りやってて、あれ、本当にこれはこの字で合ってるのか、とわかんなくなるゲシュタルト崩壊のあの感じを、口から出てくる言葉でやってる感じ。リズムが、重なり、ずれて、意味も、重なり、ずれて。わーかっこいい!わーこわい!とか思うつぼな感じでのりのりで見る。


上演後のアフタートークでも「読経ミュージカル」に挑戦してみたかった、みたいな話が出てきたり、「ホラーかと思ったら、ミステリーでもないし、という、何にも当てはまらない感じの話にしたかった」という話があったり、すごく企みのありそうな劇団で、次も見たいなーと思わせてくれた。


さて、来週は念願のチェルフィッチュを見に横浜に行ってくる!たーのーしーみー!!

「(500)日のサマー」マーク・ウェブ監督

いろんなとこで絶賛されていたし、映像も衣装もかわいかったし、音楽もよかった。でも、なんかこう私にはすとーんと来なかったんです。私の中の中二男子がスイッチ入んなかった…。


それはなぜかとずーっと考えてて、ひとまず結論として達したのが「トムが私の好みのツボだったために、いけすかないサマーに夢中だったのがおもしろくなかった」。


というなんだかなーな結論…。だってさー建築好きで、カードライターで(グリーティングカードの言葉を考える仕事って、アメリカ的でおもしろいなー)音楽好きで、ひょろっとしたカーディガン男子って、素敵じゃないですか。それが、江古田ちゃん言うところの「猛禽」であるサマーみたいな女の子にメロメロになってたら、おもしろくないよー。もっと地味な文化系女子にしとけよトム!とか思うじゃないか。思わないか。うーん。

読書メモ

『乳と卵』川上未映子

乳と卵

乳と卵

「三ノ輪の商店街なめんなよ」みたいなセリフが出てくるのだけれど、三ノ輪のあたりのぼんやりとさみしくて投げやりな感じと、物語がよく合っていていい。久しぶりに都電荒川線に乗りたくなる。


ホテル・ニューハンプシャージョン・アーヴィング

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉 (新潮文庫)

ボンからのおすすめ本。アーヴィングの本はめまぐるしく物語が動いて楽しい。遊園地みたい。熊を見たくなった。


博報堂スタイル』高橋宣行
『真クリエイティブスタイル』高橋宣行

博報堂スタイル

博報堂スタイル

真クリエイティブ体質

真クリエイティブ体質

お仕事用に。あんまり「広告人とは〜」みたいな本は好きではないのだけれど、わかりやすくて、後輩に読んでもらうにはよさそう。


『13日間で「名文」を書けるようになる方法』高橋源一郎

13日間で「名文」を書けるようになる方法

13日間で「名文」を書けるようになる方法

高橋源一郎の大学での講義をまとめた一冊。ものを書くときの視点の取り方とか、発想の仕方とか、一緒に学生たちと考えながらすすんでいく。添削をしない文章講座って、いいなー受けてみたかったなー。後輩コピーライターの添削をせざるを得ないのだけれど、うわべだけ書き変えても、変わんないんだよな。どう教えていくのか、ちょっと考えてみないとなー、とか思う。


『ビッチマグネット』舞城王太郎

ビッチマグネット

ビッチマグネット

芥川賞を取り損ねた『ビッチマグネット』は、家族のお話だった。福井弁が出てこない舞城って、やっぱりどこか物足りない…


『眼と太陽』磯崎憲一郎

眼と太陽

眼と太陽

なんでこんなに不穏な感じがするのだろう。磯崎さんの書くものは。何気ない生活の中に、ぱっと差し込まれる一瞬の不穏なイメージが、なんともいえず、こわい。わっと通り魔にあったような感じ。最初に一行から、なんか不穏だ。


日本に帰るまえに、どうにかしてアメリカの女と寝ておかなければならない。


ごつごつっとした扱いにくい文章とか、透き通ったような風景の描きかたとか、それが全部あいまってどこか神々しいのが不思議。


臨死!!江古田ちゃん1・2』瀧波ユカリ

臨死!! 江古田ちゃん(1) (アフタヌーンKC)

臨死!! 江古田ちゃん(1) (アフタヌーンKC)

江古田ちゃんと飲みたい!ぎゃーぎゃー言いたい!

バレンタイン前の伊勢丹メンズ館の女子率がすごかった。

先週金曜の日中に、伊勢丹メンズ館のアンダーウエア売り場に行ったら、女子しかいない。さすがバレンタイン前…と軽く驚きつつ、目当ての商品の在りかを店員さんに聞く。案内されたのは売り場の隅っこ。「これですね」と差し出されたのは、顔のパンツ姿の白人さんがどうよ!て感じでにやけた姿が大きくレイアウトされたパッケージ。女子の方々がかわいらしいパッケージを片手にレジに列を成しているのに、私はこのにやけた白人のパンツか…これはこの間ananの櫻井翔の号をdに買いに行ってもらったののお返しなのか?と思いつつも、ちゃんと購入。履き心地も上々らしいけど、あのパッケージは何なのか。イタリアのパンツはみんなあんなんなのか。

近ごろ読んだ本

今はアーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』を読み始めたところ。評判のよい高橋源一郎の『13日間で「名文」を書けるようになる方法』も読むぞー。

ムーン・パレス (新潮文庫)

ムーン・パレス (新潮文庫)

食わず嫌いだったアメリカ文学だけれど、ジョンアーヴィングがおもしろくて、柴田さんつながりでこちらも。いろいろ起こってくるくるしているうちにしんみりしたり、うれしくなったり、かなしくなったり。


怪しい来客簿 (文春文庫)

怪しい来客簿 (文春文庫)

岸本佐知子さんがABCのブックフェアで紹介してて「富士山のdisりっぷりがすごい」というのに惹かれて買ったエッセイ集を、久しぶりに再読。去年はじめて読んだ作家さんの中でベスト3に入るぐらい好きです色川さん。(ほかは、尾辻克彦と…誰だろう)色川さんって、阿佐田哲也と同一人物だったのすら知らなかったよ…独特の言葉と感覚にくらくらしながらも一気に世界にもってく感じ。すごくいい。内田百輭田中小実昌をあわせてシャッフルしてくらくらした感じ。読んでいる時に、色川さんと一緒に世界にもぐっていく感じがする。そこが好き。


「体温を上げると健康になる」

「体温を上げると健康になる」

電車の広告を見て、どうなんだいと思っていた本を母親の家で発見。猫と遊びながら読む。体温が低いといろいろたいへんだと脅されてちょっと不安になった私の平熱は35.8°。37.5°超えてつらくて病院行くと「微熱ですねー」て言われて不思議に思っていたのだが、ふつうは平熱もっと高いんだな。へー。

「週刊真木よう子」

週刊真木よう子〔DVD-BOX 初回限定生産版〕

週刊真木よう子〔DVD-BOX 初回限定生産版〕

豪華監督・脚本陣で話題だった深夜ドラマを。目当ては山下敦弘監督が演出、井口昇が主演した「中野の友人」。鬱々とした日常感と、それがふっと薄らぐラストシーンの対比がすごくキレイで良い話。真木よう子はおっぱい大きくて顔ちっちゃくてかわいいなー。

「ファイト・クラブ」デヴィッド・フィンチャー監督

未見だったのだけれど、こんな話だと思ってなかったので驚いた。アメリカ男子はマッチョ!